英検の語彙問題は、
1. ネイティブでも知らない単語があるのにどうして受験する必要があるのか
2. 英検1級語彙は普通に使われるので英検1級水準くらいまでは最低使えるようにするべきだ
という2つの意見があります。そこで、今回は私が実際英検に出題された語彙がいったいどれ程難しいのかを調べて みました。使ったのは語彙分析ができるVOCABPROFILE(BNC)です。VOCABPROFILEと単語の数え方については、後ほどご説明しますが、簡単にいうとVOCABPROFILEとは8億語にも及ぶ膨大なコーパスデータからその英単語が一体どの水準レベルなのかというのを1000語レベル〜25000語レベル(25段階)で分けてくれるいわゆる語学研究者向きのソフトです。市販されている英単語帳はほとんどがコーパスデータによって作られていることは皆さんもご存知ですね。
現在英検HPで公開されている2014年第1回英検1級の語彙問題各25問全ての選択肢から問題文までをVOCABPROFILEかけました。また、読解力を試される700語の長文も同じように分析しました。
研究によって様々ですが、一般的にネイティブの語彙数は20,000語とも40,000語とも言われているようです。そうすると、英語を母国語とする平均的 な語彙力の人は、選択肢のほぼ全ての単語を知っていることになります。もちろん、人によってはその中のいくつかを知らない場合があるでしょう。友人のカナダ人は最終学歴が高卒ですが、彼は読書好きから豊富な語彙力を持ち、英検1級の問題は簡単だねとさらっと言った事を覚えています。
結果は表のようになりました。
詳細語彙はこちらを参照してください→http://wp.me/p4olkY-5s
語彙問題では「小説を読むのに必要とされる9,000語レベル」までの語は390語、全体の約90%でした。10,000語レベルから 15,000語レベルまでの語は222語、全体の約42%でした。16,000語レベルから20,000語レベルまでは該当なし、そして固有名詞が33語で全体の4.9%でした。
長文の分析も以下のようになりました。
ノンネイティブの我々には最初は難しく感じてしまうのが当たり前のかもしれませんが、実際には15,000語レベルまでしか出題されない英検1級の語彙はネイティブの世界では日常的に使われるレベルだということが言えます。
【分析結果】
英検1級で問われる語彙は、ノンネイティブにとっては非常に難しいものが多いが、ネイティブでも知らないようなレベルの語はほとんど含まれない。
出題される語の約半分は、英語をスラスラ読むのに絶対に必要なレベルの単語である。
皆様の学習の参考にしていただけると光栄です。
また下記の教材は上記のように過去問を分析した上で頻度の高いコロケーションを抽出したものを写真やイラストとともにフラッシュカードにしたものです。学習のお供に☆